闇夜に輝く
第33章 クリスマスパーティー
戦場の様なクリスマス営業が終った。
海斗は閉店作業に移る。
空き瓶のボックスにはシャンパンの山が出来ていた。
ゴミをまとめて、トイレを掃除しようと中に入ると、完全に酔い潰れているリンさんがいた。
とりあえずリンさんを着替えさせたかったが、まだ更衣室はキャスト達がたくさんいる。
しょうがないので、リンさんを抱えて隣のメイク室を脚でノックし、部屋の中に向かって声をかける。
「誰かいるー?」
「おるけど、なにー?」
「あー、杏奈さんか。リンさん運び入れたいんだけど、開けて大丈夫?」
「ええよ。今あけたるわ」
ガチャっとドアが開くとそこにはヌーブラにパンツ姿の杏奈さんがいた。
「ちょ、ええー!?」
「リンちゃんつぶれてもうたんかー。途中からやばそうやったもんなぁ」
焦る海斗をよそに、そのままの格好でリンさんの顔を覗き込む杏奈さん。
「ちょっ、何でここで着替えてんの?それに何か着てよ!」
「あはは、更衣室がこんどるしなぁ。裸やと思ったやろー?残念やったなぁ、海斗さん」
小悪魔じみた笑顔の杏奈さんが楽しそうに海斗を見る。
「はぁ……。いいから早く着替えなさい、エロテロリストめ」
ため息混じりにスルーして中に入る海斗。