闇夜に輝く
第8章 初出勤
俺が入口に掛けてあるヘアメイク表に咲さんの名前を書き込んでいると、楓さんが出勤してきた。
「楓さんおはようございます」
「あ、おはよー」
「あの、今日から咲さんって新人の子が入りますのでよろしくお願いします。今、更衣室にいますので」
楓さんは少しびっくりしたような顔をする。
「あ、うん。もしかしてこの前連れて来た子?スカウトしてきたんだ」
「スカウト、になるんですかね?ちなみに咲さんはキャバ自体初めてなので、色々教えてもらえると助かります」
「はーい。わかったぁ。ところで、ボーイさんから初めて話しかけられてちょっとびっくりした。えーと筑波さんだったよね?」
「あ、そうです。筑波海斗です。すいません、いきなり話しかけてしまって」
海斗は入店してからこれまでキャストとの私語厳禁というルールを律儀に守っていた。
なのでキャストとは基本的に「おはようございます」「お疲れ様です」「お願いします」くらいしか会話をしていない。
入って数ヶ月のボーイが親しげにキャストと会話をしているだけでほかの黒服から風紀を疑われてしまう。
また海斗にとってキャストは別世界の住人という認識があり、率先して関わる気もあまりなかった。
今回も咲さんの紹介という名目が無ければ、挨拶だけで通りすぎるはずだった。
「楓さんおはようございます」
「あ、おはよー」
「あの、今日から咲さんって新人の子が入りますのでよろしくお願いします。今、更衣室にいますので」
楓さんは少しびっくりしたような顔をする。
「あ、うん。もしかしてこの前連れて来た子?スカウトしてきたんだ」
「スカウト、になるんですかね?ちなみに咲さんはキャバ自体初めてなので、色々教えてもらえると助かります」
「はーい。わかったぁ。ところで、ボーイさんから初めて話しかけられてちょっとびっくりした。えーと筑波さんだったよね?」
「あ、そうです。筑波海斗です。すいません、いきなり話しかけてしまって」
海斗は入店してからこれまでキャストとの私語厳禁というルールを律儀に守っていた。
なのでキャストとは基本的に「おはようございます」「お疲れ様です」「お願いします」くらいしか会話をしていない。
入って数ヶ月のボーイが親しげにキャストと会話をしているだけでほかの黒服から風紀を疑われてしまう。
また海斗にとってキャストは別世界の住人という認識があり、率先して関わる気もあまりなかった。
今回も咲さんの紹介という名目が無ければ、挨拶だけで通りすぎるはずだった。