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闇夜に輝く

第38章 同伴トラブル



20時を過ぎると続々と同伴のキャストが同伴客と一緒にアクトレスのビルに入っていく。
海斗は会釈をしつつ、先導しエレベーターの上ボタンを押し、ドアが開くと客とキャストを案内する。
そして素早くアクトレスの階のボタンと閉まるボタンを押してエレベーターの外に出る。
「ごゆっくりどうぞ」
と深々とお辞儀をし、ドアが閉まったことを確認した後、インカムで店内に連絡する。

そんな事を繰り返していると、店前に1台の型落ちベンツがゆっくりと停車した。
フルスモークの車内の様子は分からないが、人が出てこない。

この場所は店前のパーキングへ入る車以外の通行は出来ないし、店前に停められると、パーキングを利用する車の邪魔になってしまう。
かといってフルスモークでナンバーがゾロ目のベンツに向かってクラクションを鳴らす度胸は後続車には無いらしく、仕方なくUターンしていった。

海斗も無用なトラブルに巻き込まれないように身体の向きを斜めにし、横目で様子を伺っていた。


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