無料で楽しめるちょっと大人のケータイ小説

数分して助手席のドアが勢いよく開いたかと思ったらつかささんが出てきた。
そのまま勢いよくドアをバン！と閉める。
するとすかさず運転席のドアも開き、20代後半と思われる男も出てきた。
そしてベンツをお互いが挟む形で口喧嘩が始まった。

「何で車から出るんだ、このやろう！」

「だって店に来てくれるって言ってたじゃない！何でアンタなんかとまたホテル行かなきゃいけないのよ！一回やったからって彼氏ヅラしないでくんない？」

「あ？てめーから誘ってきたんだろうが！この前だって結局は店を休んだじゃねーかよ」

「それはアンタが変なクスリ使ったからでしょ！今日は食事の時に一滴もドリンク飲んでないんだから！いいから約束通り店に来てよ。来ないんだったらもういい。死ね！ブタ！」

普段のぽーっとしたつかささんとは思えない程、激怒していた。

しかし最後の一言がその男の怒りにも触れたようだ。
怒声をあげながらベンツの前方を回り、つかささんを捕まえようとする。
しかしつかささんはベンツの後部へ逃げる。それを見た男は逆回りで捕まえようとする。するとつかささんが前方へ逃げる。
つかささんも車から離れて走ったら男に追いつかれるのがわかるので、車の周りから離れない。

そしてベンツの周りを一組の男女が罵声を浴びせあいながらぐるぐると回っていた。