闇夜に輝く
第39章 付け回し
まずはキャストリストを確認し、キャストの出勤時間を把握する。
といっても誰が何時に出勤するかを全て覚えるのは無理だったため、21時、21時半、22時、22時半時点でのキャストの総数を覚える。
そして、ナンバー入りするような売れっ子キャストの出勤時間は正確に覚え、来客予定の客の指名キャストも覚える。
それから、今現在、来店している客の組数、指名、来店時間をざっと確認し準備は完了。
これらが頭に入っていないと、客をどれだけ入れられるかの判断がつかなくなる。
席が空いているからと客を入れて時間をスタートしても接客するキャストが足りていなければ大変な事になるからだ。
また、優矢君が出勤してくるまで増田店長がエスコートと延長確認を担当し、西野さんがフロア業務をしつつサポートに入る。
山田君がカウンター業務と交換物を、秋山さんがリクエストコールをメインにフロア業務を行う。
海斗は頭をフル回転させ付回しを行っていく。
早い時間は余裕もあるが店が混雑するに連れて客数、組数、キャストの人数も増えていくため複雑になる。
必死に付回しをしている内に坂東さんが戻ってきた。
増田さんに軽く説明をしただけで、何事も無かったかのように業務に戻る坂東さん。
しかし、それまでどの客にどのキャストを付けたかは海斗にしかわからないため引き続き海斗が付回し、坂東さんがエスコートや延長確認といった役回りのまま営業を続ける。
すなわち、この日の売り上げの大部分が海斗の手腕に託されることとなった。