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闇夜に輝く

第39章 付け回し



海斗の後ろから美香さん、サラさんがついてくる。
サービスビールを飲んで待っていた3人組の客が気付き、一斉にこちらを見る。

「失礼します!そちら間よろしいでしょうか、美香さんです。こちらお隣よろしいでしょうか、サラさんです」

海斗が客にキャストを紹介しながら明確に座る位置を指示をする。

そして全体を見渡せる付回しのポジションへ戻りながらキャッシャーへインカムを入れる。

『12番テーブル、23:15スタート』

『23:15了解よー。海斗テンパってない?大丈夫~?』

『なんとか、まだクリアです。でも一旦フリーはストップですね』

キャッシャーの洋子さんから心配された。

ぶっちゃけギリギリで回している。

この後は終電逃しても飲むタイプの客の席を気持ち優遇していかなければ0時を境にチェックの嵐になりかねない。

そういえば、さっきトイレにいったキャストがなかなか帰ってこない。
バックヤードまで呼びに行く。
こういう所がCランクキャストには多い。
案の定、店内が忙しいのにだらだらと化粧直しをしてサボっていた。

すぐさま呼び戻し、1番テーブルに付けて、その場で1番テーブルに付いていたもう一人のキャストを抜く。

そうやってめまぐるしくキャストを変えていき、抜けてくるまでのタイムラグを利用してキャストのマイナスをごまかす。

さすがにピンのお客さんにキャストを付けない訳にはいかない。
その為、忙しくなるとフリー1名の客は意図的に優矢君がフロントでカットしてくれている。

それと同時に指名が被っているキャストや場内指名が被っているキャストの時間を少しずつ調整して、新規の客にも回してあげなければならない。


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