闇夜に輝く
第41章 冬のとある日
ツカサさんの事件から1ヶ月が経った。
冬の寒さもピークを迎える2月初旬。都内でも降雪が観測される日もあり、どうしても2月は売り上げが落ちる。
営業日自体が他の月に比べて少ないのもあるが、新年会シーズンが終わり、ボーナスも使い果たし、12月頃から続く冬の寒さも日常化して人恋しさをあまり感じなくなるかららしい。
そうなると、長い付き合いのある自営業の指名客を持つキャストが強い。
何故なら世の中の社長達は12月の社員ボーナスを払い、年末年始の会社経営を乗り切り、新年度の経営も順調になるまでは気が気ではないらしい。
そしてそれを乗り切った2月になるとより太客となる。
なので、キャストの成績の差も顕著となって現れる。
今月の店内は太客の指名が被って大変なキャストと、待機席でスマホをいじっているだけのキャストに別れる日が多くなった。
ボーイ達も指名客が多いため、やる事が少なく普段より忙しくはない。
海斗も営業中にもかかわらずフロアを見ているだけの時間が他の月よりも多くなっていた。