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闇夜に輝く

第41章 冬のとある日



結局、ツカサさんからの連絡はあの日以来無かった。

そしてまた1人、海斗の担当キャストが居なくなってしまった。

海斗はツカサさんの事を担当として親身になって接していた自負もあったが、ツカサさんにとっては頼りにならないボーイで、助けてもらおうと思える存在ではなかったことに気付かされた。

だけど、もし連絡があったとしても海斗に一体何がしてあげられるのかもわからなかった。
どこかで元気にしている事を願うしかない自分がいた。

全て増田店長の言う通りだった。

フロアを見つめながら、キャスト一人一人をみる。
ここは都内でも有数の繁華街で、普通のアルバイト感覚のキャストは少数しかいない。
中にはこの世界しか知らないキャストの方が多い。
同じ時間働いて時給800円と3000円以上ではキャバクラで働く事を覚えてしまった子は戻れない。

この業界は1ヶ月持たずに辞めた子はそれっきり夜の仕事には関わらないと思う。
だけど、ある程度長く続けた経験のある子は一度辞めてもまた戻ってくる。ただ、それが都内とは限らない。
首都圏であれば2000〜3000円の時給でいくらでもある。

そして世の中との金銭感覚がズレたまま生活して行くうちに、ズレた人としか付き合えなくなる。

だからキャスト達の華やかな笑顔の裏に、皆何かしらの闇を抱えている。
それは愛情に飢えていたり、依存体質だったり、見栄や虚栄に幻想を抱いてしまったり。


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