闇夜に輝く
第41章 冬のとある日
増田さんは結衣菜さんが高校を卒業したらまたニューアクトレスで働いてもらうつもりでいる。
その為の繋ぎに海斗が使われている事も承知している。
けれども、結衣菜さんをまたこの世界の色に染めてしまう事に少し抵抗を感じはじめていた。
キャストが店を離れていく寂しさの一方で、キャストをこの世界に引き込む罪悪感とがごちゃ混ぜになり、ふとため息が出てしまう。
そんな事を思っていると、フロントからインカムが入った。また、新しい客が来店したようだ。
海斗はモヤモヤを払拭しようと自分の頬を両手でパチリと叩き、店内に戻った。