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闇夜に輝く

第42章 お好み焼き



次の日、海斗は昼過ぎに目覚めた。

夕方には結衣菜さんの働いているお好み焼屋に行く事になっている。
しかし、ある問題に気付いた。

待ち合わせの場所がお好み焼屋という事。

今まで、毎月結衣菜さんと会う時は、カフェや駅前などで待ち合わせていた。
今回は話の流れで結衣菜さんのバイト先になってしまい、このままでは一人でお好み焼屋に入店するという高いハードルを越えなければならなくなってしまう。

流石にそこまでの強いハートを持ち合わせていない海斗は、結衣菜さんのバイトが終わる時間が19時なのでその時間に予約を変更してもらおうと考え、起きてすぐにラインを入れた。

しかし、夕方になってもそのラインが既読になることはなかった。
直接お店に電話しようと思い、スマホで結衣菜さんのバイト先のお好み焼屋を検索している時、妹の若菜が話しかけてきた。

「お兄ちゃん、今日の晩ご飯は何がいい?」

そう声をかけられ、スマホから顔を上げた海斗は、しばし考えたあと提案する。

「今日、お好み焼食べに行く?」

「わぁ!行きたい!」

若菜はパッと笑顔になった。
そう言えば外食なんてここ最近していなかった事に気付く。


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