闇夜に輝く
第43章 激震
海斗がニューアクトレスで働き出して1年以上が経過した。
それはこの業界に足を踏み入れてからという意味でも同じ。
最初の5ヶ月は積極的ではなかった。
それが変わるきっかけとなったのが咲さん。
担当キャストを持つことで海斗の意識は変わった。責任が生まれた。
それはこの世界に咲さんを引き込んでしまったからという意味もあった。
その後、担当が増え、役職が与えられた今現在は入店当初と別人と言っていいほどに海斗は変化している。
そして2月からナナさんが本入店し、海斗の担当となった。また一つ責任が増す。
ナナさんとはスノボ旅行で偶然再会した後も連絡を取り続けていた。
ナナさんは有名大学に通っていて、学業が忙しい為に派遣会社を通じて自分の都合のいい時間のみ働けるキャバを転々としていた。
しかし、先月の1月末のテストで卒業までの必要単位数を満たしたそうだ。まだ2年生なのに。
あとは3年時にしか取れない必修単位とゼミに所属して卒論を書いて認められれば普通に卒業できるらしい。
時間的に余裕が出来た為に派遣会社を通さずに、一箇所で働きたくなったナナさんは真っ先に海斗へ相談した。
海斗はすぐに増田店長に報告。
すると増田さんはすぐさま派遣会社に一定の金額を払い、本入店の運びとなった。