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闇夜に輝く

第43章 激震



元大学生の海斗としてはナナさんが2年生のうちに卒業に必要な単位を全て取り終わることがどれだけ優秀か容易に想像がついた。
毎日朝から夕方まで授業に出続け、期末には膨大な量のテスト勉強をしなければならない。
また、効率良く単位を取る為には人気のある授業を抽選で獲得しなければならないし、不人気の授業にも真面目に取り組まなければならない。

ここでいう人気、不人気とは、単位の取りやすさを指す。

人気の授業とは、出席確認が杜撰で誰が返事をしても大丈夫だったり、出席表に誰が丸を付けても問題なかったりする『代返』が可能。
また、テストが簡単であったり、教科書が持ち込み可能であったりする。
おかげで定員以上の生徒が殺到する為に抽選となる。
その抽選で当たる確率を上げる為に、その授業を取るつもりのない人にも協力してもらい、当たった人からその権利を譲ってもらう。

不人気の授業はその逆。
毎回授業に出なければならず、テストは過去問が当てにならなくて予想が難しい。
また、ノートや教科書の持ち込みも禁止。
こう書くと「そんなの当たり前じゃん」と思われるかもしれないが、そんな授業の方が稀。
なぜなら厳しくしすぎて定員割れを起こすと講師がクビになるから。
有名な教授や、大学側が呼び寄せるほどの実績のある講師なら別だが、只の雇われ非常勤講師などは定員割れを恐れるので授業が緩い。


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