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闇夜に輝く

第43章 激震



こうして海斗の担当キャストは成績順にいうと、

杏奈、リン、咲、美香、サラ、マキ、そしてナナの7人。

杏奈、リン、咲は相変わらずナンバー入り争いをしている。

そこにベテランの美香さんが猛烈な勢いで成績を上げてきていた。
美香さんはそれまでは年齢的にも限界と本人も諦めていた節もあった。
しかし、海斗とのミーティング中のひょんな一言から状況が変わっていった。

「美香さん、いつもお疲れ様」

「ふふっ、海斗くんの方が頑張ってるわよ。いつもお疲れ様。海斗くんの担当キャストは張り切ってるわよね。海斗くんのプレッシャー半端ないし。その点、私はミーティングに呼ばれる回数も少ないからラクだけど」

「えぇぇ?そうなんですか?やっぱ俺、プレッシャー与えてる?」

「ふふふ、杏奈ちゃんなんて待機席から呼ばれる度に他のキャストに愚痴こぼしてるわよ。『またや〜、今日は何言われんねやろ〜。泣きながら帰ってきたらみんな慰めてなぁ。』なんて言いながらダルそうにミーティングに向かってるわ」

「参ったな。別に杏奈さんに関しては厳しい事を言ったことはないんだけどなぁ」

「あはは、分かってないわねぇ。ミーティングに喜んで行っちゃったら黒服に媚びてると思われて反感買うのよ。面倒くさい振りしないとね。ミーティングに呼ばれるってのはある意味ステータスなの。その他大勢のキャストさんとは違うっていうね。呼ばれない子はうるさいことを言われないし、待機席でキャストと喋ってる方が楽しいからラクでいいなんて言うけど、心の中は違うわよ。嫉妬と羨望が絶対あるの。そういうもんよ」

ニコニコとしながら美香さんがチラリと待機席を見てまた海斗の方を見る。


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