闇夜に輝く
第43章 激震
大学生は遊んでばかりだと言われやすいのは、楽な授業を選んで単位を取得し続けても卒業まで辿り着けるからだと思う。
でも、楽な授業の情報は人脈を広げておかないと入ってこないし、人気の授業の抽選に協力してもらえる人や、代返してくれるような人など、優しい友人や利害関係の一致する人を多く抱える必要がある。
また、テスト問題を仕入れてきてそれを教えてくれたりする先輩や、TAと仲良くなって情報を仕入れたりする事も必要。
TAとはティーチングアシスタントの略で主に教授の研究室に所属している大学院生が教授の授業の助手としてバイト感覚で行っている。
そして一番重要なのが、そのようなズルとも取れる行為に対して周りが許してしまう様なその人の人柄が必要となる。
ナナさんは、真面目に授業に出る一方で、楽に稼げる単位の情報を仕入れることができる人間関係を築き、期末試験もクリアし、単位を落とすことなく確実に積み上げていった。
なぜなら楽な授業だけを選んでいたら2年間で卒業に必要な単位を取ることは難しいから。
そういった意味でも海斗はナナさんの事を才色兼備な戦力として今後に期待している。
増田さんもその辺を見抜いていたため、保証時給4000円3ヶ月を提示したが、ナナさんの方から保証時給4500円2ヶ月を希望してきた。
その聡明さに増田さんも感心し、ナナさんの希望通りにした。