闇夜に輝く
第48章 エースとして
海斗は暫し考えた後、話を切り出す。
「杏奈さんの努力で来店に繋げているのはよく分かってるよ。ただ、ミリオさんの存在によって和田様達の一度に使う金額か高まっているとは思えない?ミリオさんがいるからこそ、何本もシャンパンが入るし、それが当たり前だと和田様達が思ってくれる。仮に他のキャストとのダブル指名だった場合にあそこまで華やかに出来るかな?」
「せやなぁ。でもなぁ〜…」
不満気な顔のまま、杏奈さんは黙り込む。
海斗はもう少し踏み込んでみた。
「前にミリオさんが休みの日に和田様達が飲みに来た時を思い出してみて。その時ってそんなに弾けなかったよね。その日は全額杏奈さんに売上成績がついたけど、あの感じが続いたとしたら、頻繁に飲みに来てくれるかな?」
海斗の言葉に杏奈さんもハッとなる。
思い当たる節があるのか、先程よりは不満気な顔ではなくなった。