『闇夜に輝く』第48章「エースとして」　484ページ

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闇夜に輝く

第48章エースとして

杏奈さんの見た目はザ・キャバ嬢という雰囲気を醸し出している。数ヶ月前までは他のキャストへの配慮なんて考えた事もなかった。
しかし、キャリアを重ねるにつれて、自分勝手な振る舞いをしていては上位の成績を残せないという事に気が付いてきた。
海斗とのミーティング内容も杏奈さん自身の接客や営業の相談よりも、こういった他のキャストとの上手な関わり合い方の相談が増えてきている。

海斗は杏奈さん自身の成長を嬉しく思いながら、労いの言葉をかける。

「結衣菜さんには怒らないから心配しないで。あとね、杏奈さんのこういった気遣いが最近の接客にも現れてる。ここ最近年配のお客の指名が増えたのも杏奈さんが人として成長したからなんだと思う。子供っぽさが抜けて、イイ女になってきてるよ。それに伴って杏奈さんの指名客が多くて大変なのは見ててわかってる。指名客一人一人を大事にしているのは偉いよ。ちゃんと話してくれてありがとう。一人で抱え込む必要は無いからね。困った事もそうだけど、愚痴や不満でも話す事で気が晴れる事だってある。俺の事をトコトン利用してくれていいから」

「分かった。もう海斗さんに任せる」

海斗は杏奈さんとのミーティングを終えた。

すかさず結衣菜さんとミーティング。そして、アフターに行ってくれたお礼を言った後、指名トラブルを避けるためこれからは控えるように伝えた。