闇夜に輝く
第50章 パトロン
キャバ嬢という生き物は本当に不思議だ。
学生時代に問題児扱いされてきた子がほとんど。
学歴や資格、スキル、社会常識、社会経験も乏しい。
そんな世間では頭の悪いと思われる子が、キャバクラでは大金を稼ぎ出す。
もちろん普通の子もいる。
しかし普通の子はそこそこの成績しか残せない事が多い。良くも悪くも常識人なのだ。
常に周りに合わせたり、社会や世間体を気にして生きてきた子は、そこそこの成績でそこそこに稼ぎ、感覚が麻痺しないうちに陽の当たる社会に戻っていく。
そういう子はキャバクラで自分の評価が上がらなくても普通の仕事でも通用すると思う気持ちがどこかにある。
けれども、この世界で生きていくと腹を括っている子は覚悟が違う。
世間から水商売の女と蔑まれようとも気にしない。
なぜならこの世界が一番輝ける場所だと認識しているから。
学生の時は誰も認めてくれなかった、怒られてばかりだった。
けれどココでは違う。学校の成績は関係ない。
人気があり指名された者が正義、そんな世界。
そしてその普通ではない子の筆頭が
杏奈さんと結衣菜さん。
ニューアクトレスでは珍しいギャルっぽさのある2人。