闇夜に輝く
第51章 黒服として
逆に細客は普段からチヤホヤされないし、女性に相手にされない人が多い。
だからキャストはめいいっぱい媚びて、話を聞いてその人を持ち上げる。
客は必要以上にカッコつけたがり、次第に身の丈を超えた金額を注ぎ込む。
そして短い期間で破滅するほどお金を使わせてサヨナラする。
基本は太客には猫のような性格で、細客には子犬のような性格で接するのがセオリー。
そこから客に合わせて柔軟に対応する。
サラさんの場合、それが全くの真逆。
その根底にはお金持ちや都会人に対する憧れとコンプレックスが垣間見える。
だから余計にそういったお金持ちから引かれるし、軽くあしらわれてしまう。
今回の件に関しても、キャバ嬢の立場としてパーティに行くのならば、男性を連れて行くのはマイナスでしかない。
なぜなら営業をかけにくくなるから。
けれどサラさんが増田さんにお願いした背景には、他の女子大生に負けたくないとか、優越感に浸りたいという願望が透けて見える。
また、そのパーティに参加するのに相応しい人間だと周りに認められようと増田さんのステータスを利用しようとする気持ちもあるのだろう。
だから増田さんが気に食わないと怒っていた。