闇夜に輝く
第51章 黒服として
次に道を踏み外す要因について。
十代前半の頃から都内の繁華街で遊び慣れてきた子は夜の街に憧れはあまりない。
日常として生きてきた。
派手な生き方の人への免疫も高いし、怖さも知っている。
だから簡単には靡かないし、流されづらい。
けれど、ある程度大人(18歳くらい)になってからその世界に飛び込んだ子はそれまで接する機会の少なかった派手な人々に魅了されやすい。
また、そういった人々にバカにされない為に必要以上に自分をよく見せようとする。
その行為がバカにされる要因なのにそれに気付けない。
そういった微妙な機微に気付かぬまま過ごすとどうなってしまうか。
お金の価値観が合わなくなった普通の大学の友達や昔からの友人との付き合いが難しくなる。
けれど無理をして夜遊びに慣れた人達の輪に加わるとなぜか馴染めない。
そして本当の意味での友達がいなくなる。
その心の寂しさを埋める為にお金に頼る。
だから金持ちに簡単に靡く。
そして散々遊ばれてポイ。
そんな傷ついた心を今度はホストやヒモ男、ヤクザに狙われる。
そして尚更お金が必要になる。
ここまでくると普通の生活に戻ろうと思っても中々出来ない。
今更時給1,000円くらいのバイトでの生活水準には戻れないし、お金が無ければ自分を分かってくれる男や仲間が離れていってしまう。
自分を偽って無理をし続けた結果、弱い方に流れる。
より短時間で稼げる風俗に行ってしまったり、更に男に貢いだり、挙句はクスリに走ってしまったり。