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闇夜に輝く

第52章 捜査



テレビでもよく社長夫人のセレブな生活や豪邸が特集され、レポートする芸人やスタジオにいる芸能人が凄いですねと持て囃す場面を見かける。
社長夫人は毎日美容院、ネイル、エステに行って美貌を保つ。
高級外車に乗り、派手な生活を送る。
女としての魅力を男に認められ、その生活を手に入れる。
そして捨てられないようにその価値の維持に努める。

サラさんがそんな生活や立場を羨む気持ちもわかる。

けれど、女性の価値や魅力ってそれだけなのか。
そんな薄っぺらいものの為に成功者の男が金を注ぎ込むのか。
一代で財を成した有能な人がそんな人ばかりでは無い。

しかし、テレビではその社長夫人の本質的な有能さを報じない。
もしくはそれを感じさせない作りになっていることが多い。
バカな女を演じる事で、旦那である社長への妬みを和らげている。
こんな金のかかる女を妻に持って大変ですねと同情を買う。
そうやって自分を下げることで相対的に旦那を持ち上げる。
実はその社長夫人は旦那を一番に考えてそんな行動をとっている場合もあるのだ。

けれどそんなテレビを見ている巷の主婦のほとんどはどうしているか。
子供が一番で旦那の事をATM扱いする話をよく聞く。
もしくは子供と結託して旦那をバカにする。
そんな人達がよく言うセリフ

「私だってあんなお金持ちの旦那を持ったらバカになんてしないわよ」

勘違いも甚だしい。

金持ち達は金持ちのコミュニティの中で暮らしている。
どんな世界にも上には上がいる。
セレブの中にも階級は存在するのだ。

結局自分の立場をわきまえられるか。

周りからどう見えるのか計算高く自分を客観視する。
そして旦那を立てて、自分も捨てられないように常に努力を惜しまない生活を送っている。

仕事がバリバリ出来る女社長と同じくらい、バカな社長夫人を演じるのには才能がいる。

自分では何の努力もせずに旦那をATM扱いする様な本当のバカ女には決して務まらない。


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