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闇夜に輝く

第52章 捜査



サラさんはいつから勘違いしてしまったのか。
金持ちに媚びてそのコミュニティの中にさえいれば自分も成功できると錯覚する。
そんな他力本願な考え方。

別名『なんちゃって意識高い系』

元々表面的な憧れが強い性格だったのかもしれない。

海斗はこれから先のことを考えると暗澹たる思いがあった。


そんな事を考えつつも、頭を切り替えてこの日の営業に集中しなければならない。
近くにいた山田君とキャッシャー前で来客予定の確認をしていると店の電話が鳴る。

キャッシャー内にいた坂東マネージャーがその電話を取る。

「お電話ありがとうございます。クラブニューアクトレスです」

いつものように電話対応をしていたが、途中から深刻そうな表情と声色に変わる。
山田君とリストの確認をしていた海斗もその雰囲気の変化に反応し、チラチラと様子を伺う。

坂東さんは暫く会話を続けた後、電話を切る。
電話を切った後も腕を組んだまま無言で受話器を見つめる坂東さん。

海斗はその様子が気になった。

「何かあったんですか?」

「ああ、埼玉県警からの電話だった」

「埼玉県警?また何でそんな遠くからうちの店に?」

「よくわかんねぇんだけど、捜査協力してくれだとよ。ツカサの事を聞いてきた」

「えっ?ツカサさん?…って俺が担当だったあのツカサさんですか?」

「そうだと思う」

思わぬ場所からの電話とそこに出てきた名前に海斗が驚くが、坂東さんは難しい顔で頷く。


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