テキストサイズ

闇夜に輝く

第52章 捜査



次の日、昼過ぎに海斗が起きてテレビをつけると、オレオレ詐欺摘発のニュースがバンバン流れていた。

ワイドショーにもツカサさんの本名と共に顔写真や監視カメラの映像が流れている。
また、覚せい剤の所持も加わり再逮捕。

相良も共犯の容疑者としてニュースに出ていた。
そして相良が所属していた半グレ集団の名前も大きく取り上げられていた。
テレビでは指定暴力団になっていない地下組織の問題点や、オレオレ詐欺の手口など今更な情報で盛り上がっている。

海斗はテレビを消し、考える。

こうやって人生を踏み外すキャストが出ないようにするにはどうしたらいいのか。

ツカサさんが同伴で相良とトラブった時に、もうこんなキャストは出したくないと思ったけれど、完全な解決策なんてないのも分かっている。

ふと、サラの事が頭をよぎる。

あの子も、この業界で地に足が着いているとは言えない。
色恋管理に消極的であった海斗の心にツカサという釘が深く刺さる。
どうせそのうちホストやヤクザにつけ込まれるんなら、俺が管理する。

もうこんな思いはしたくない。出来る事は何でもやる。

ただそれだけだ。

もうすでに色恋管理への迷いは消えていた。




ストーリーメニュー

TOPTOPへ