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闇夜に輝く

第54章 勘違い客



季節は11月となり、ボーナス期を控えたこの時期はどの店も静かな事が多い。

しかし、ニューアクトレスはその波とは無縁であった。
なぜなら毎月Aランクキャストが10人を超えてきていた。
Aランクキャスト達は軒並み指名売上100万を超えている。その他のキャストの指名売上を合わせるとそれだけで1500万以上。
そこにフリー客の売上も1200万程加算される。
4月の担当替えの時に話し合った目標売上3000万は半年以上の時間をかけて徐々に達成しつつあった。後はこの状態を維持し続けることができるかが課題となる。

しかし、売上が高くても、利益率は下がってしまった。
コレには理由がある。
夏頃までは場内指名の顧客も多かったので利益率は高かった。
けれど最近はその場内指名だった客が本指名に変わってきたからだ。
本指名売上が上がるということは、キャストや黒服の給料も上がる。
よって夏と同じ店舗売上を叩き出しても、人件費もかかってしまう為、利益率が下がる。
でもこれはある意味、高級店の宿命であり、永遠の課題でもある。


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