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闇夜に輝く

第55章 泥沼の先に



そんな日々が続いたある日、増田さん、坂東さん、海斗でいつも営業前に行う役職者ミーティングになぜか山田君がいた。

ソファー席には増田さんと坂東さんが座り、その向かい側の丸イスに山田君が緊張した様子で座っている。

海斗は不思議に思いながらも山田君の隣に丸イスを持ってきて座った。


そして増田さんが話を切り出した。

「来週から楓の担当を坂東から山田に変えようと思っている」

なんの枕詞もない、単刀直入なその言葉に海斗は思わず坂東さんを見る。

顎髭に手をやったまま、じっと一点を見つめている坂東さん。


坂東さんは楓さんを3年以上担当している。しかも楓さんがこの店で働くようになった経緯にも坂東さんが絡んでいた。

ある意味、楓さんは坂東さんのスカウトキャストといった位置付け。通常であれば担当替えなどありえない。

しかし、坂東さんの表情から察すると、すでに増田さんと坂東さんの間で何かしらの話し合いがあったのは間違いない。

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