闇夜に輝く
第11章 優矢くんの秘密 〜約一年前の出来事〜
数日後・・・・・・
「おっちゃんっていつの間にそんなに偉くなっちゃったの?」
放課後、優矢はおっちゃんに呼ばれて風俗案内所ピンキー2階の事務所に来ていた。
おっちゃんは机を整理しながら答える。
「おれもようわからん。あの日、小松崎さんは何も報告しなかったらしいんだ。だけど、瑠璃ちゃんが父親である北条の大親分に今まで組の人を勝手に使ってごめんなさいって謝ったらしいんだ。んで経緯が発覚してな。小松崎さんも立場があるし、優矢が俺の部下の若い衆だと思ってたらしい。だから小松崎さんが来た次の日、俺と橋本のオヤジが本家に呼ばれてよぉ。だけど優矢は組とは関係ない堅気のガキなんでって俺、土下座したんよ。小松崎さんも間に入ってくれてな。優矢と小松崎さんのやり取りを説明してくれたんだ。そしたら北条の大親分がその話を気に入ってよ。あの方も昔気質の人だから。んで、その若いのをよくよく面倒見るようにって言われてさ。それに普通ならそのガキ連れて来て改めて詫び入れさせるところを、堅気のガキを守って後藤も偉いじゃないかってな話になっちまってよ。結局、俺の親である橋本のオヤジが北条組の幹部に格上げになって俺も新しく後藤組を作る事が認められたんよ」
「ふーん、おっちゃんありがとな。俺ボッコボコにされるとこだったんだね。その世界はよくわからないけど、おっちゃんもヤクザだったんだねぇ。しかも組長って事でしょ。でも小松崎さんはどっかの若頭じゃん。なんでいきなりおっちゃんのほうが偉くなっちゃうの?」
「おめーはバカか!」