闇夜に輝く
第3章 複雑な家庭環境
今から約4年前、海斗が普通に高校生をしていた16歳の夏に父親が9歳の女の子を連れて現れた。
父の隠し子だった。
その子の母親である父の愛人だった人が亡くなってしまい、やむなく引き取ることになったのだ。
母親は最初激怒していたが、一応育てることに。
ただ父親は普段から出張続きで不在なことが多く、妹はすごく肩身が狭そうだった。
そしてとうとう海斗が17歳の時に父親が全く帰ってこなくなった。
新しい愛人とどっかに行ってしまった。
それからが酷かった。
母親、海斗、妹との殺伐とした生活が始まった。
特に海斗が学校やバイトで家を空けてる時、妹にとっては地獄だった。
母親は父親が出ていったのは妹のせいだと考えるようになっていた。
それによって母親の虐待に近い嫌がらせが日に日に激しくなった。
しかし高校生だった海斗は、見かねてたまに母親に注意する以外にはどうする事も出来なかった。
それにいきなり現れた妹に対してもさほど愛着が湧かなかった。
その2年後に海斗は大学へ進学したけれど、その年の正月に突然父親から連絡があった。
どうやら破産手続きをしたとのこと。
そこで正式に親は離婚。
もちろん家も競売にかけられて出ていく事になった。