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蜜の誘い

第14章 由貴と世奈

ゆっくりと唇を重ねる。
女性同士で唇を交えていく。

薄く紅を引いた2人の唇が、いやらしく、次第に激しく交わっていく。

互いの舌を絡ませながら…

女同士でなんて考えた事も無い!と、嫌悪を抱く人もいる。
実際、世の中の多数が男女で行っているのだから仕方のないことだ。

私もつい1年前までそうだったもの…

でも出逢ってしまったの…
知ってしまったの…

心から求め合い、与え合い、満たされる愛を…

ただそれが同性だっただけ。

ただそれだけ…

……

「ねぇ…今日はしないの?…」

お昼ご飯を食べ終えた日曜の午後のひと時。

リビングのソファーに並んで座っていた世奈が、私に身体をすり寄せながら呟いた。

「したいの?…」

わかっているのにわざと焦らすように訊く。

「……うん…」

恥ずかしそうに頷きながら世奈が小声で答えた。

可愛いい…

「…エッチな子ね……」

世奈の身体にそっと腕を回して抱き寄せた。

柔らかな感触。
心地よい感触。

唇を優しく重ねた。

求め合うように何度も唇を交えさせ、互いの舌が絡みあっていく…

ふたりの間にもう言葉は無かった…

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