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蜜の誘い

第3章 詩織と真希

私は、瀬戸詩織。
27歳の独身です。

公立の図書館で働いています。

化粧気も無くメガネをかけ、髪は頭の後ろでひとつに束ね、職場では洒落た服を着る事もありません。

いわゆる地味な女性です。

「すみません・・この本ありますか?」

あっ・・水曜日の彼女・・

この3ヵ月くらい、毎週水曜日のこの時間帯に来ている方です。

名前は、田口真希さん。
利用者カードで名前だけ知っています。

とても美人な女性です。
年は私と同じくらいでしょうか。
スタイルも良く、いつもお洒落な服装です。
とても素敵な女性・・

「えっと・・Dの40の棚にあります」

「・・Dの70・・」

「いえ・・Dの40です・・」

「あっ・・Dの40・・ありがとうございます」

笑顔を残し、教えた棚の方へと歩いて行きました。
初めて会話してしまいました。

嬉しい・・

後ろ姿を眺めながらドキドキしていました。

私は秘かにこの人に好意を寄せています。

実は私・・・男性より女性が好きなのです。

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