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ドロップ・オブ・ロゼ 〜薔薇の涙〜

第16章 ハロウィン狂想曲



圭太side


ピンポーン…



ついさっき、俺は千陽さんからすぐ家に来てほしいと連絡をもらって部屋の呼び鈴を鳴らした。



「・・・・」



おかしいな?すぐ部屋に来い、って言ってたはずなんだけどな?



再度鳴らすも返事もなく、物音一つ聞こえてこない。



ピンポーン…



「・・・・」



もしかして、千陽さんの身に何か…。



まさか、と思いドアに手をかけると、ドアは意図も簡単に開いた。



あの電話は…俺に助けを…!



慌ててスニーカーを脱ぎ捨て家の中に上がり込んだ。



でも、家の中は薄暗くて人の気配も感じられない。



もしかして拉致られた……!?



…いや、待てよ?



千陽さんから電話もらって車かっ飛ばしてここに来たから十分もかかってない。



いや、数人がかりでだったら二、三分はかからないか?



そうだ、取り敢えず電話だ!!電話してみよう。



でも、数回コールするも留守電に変わってしまう。



くそっ!!



外へ探しにいこうと、踵を返したその時だった。



何かが、いや、誰かの手が数回俺の肩を叩いた気がして後ろを振り返ると、



そこには口から血を流し、ボサボサの長い髪で顔を覆い隠し頭に矢の刺さった落武者の姿があった。



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