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ドロップ・オブ・ロゼ 〜薔薇の涙〜

第19章 二人と一匹な日々。



表情を隠すように顔の前で交差された両腕。



きゅっと引き結ばれたままの唇。



初めて繋がり合った日の夜からこんな彼をずっと見てきた。



やっぱり男に抱かれるのがイヤだったのか、って初めは思った。



でも…



千「そんなこと思ってたんだ?」



ごめんね?と彼は笑った。



初めはただただ怖くて恥ずかしくて、って感じだったけど何となくクセになっちゃってたんだよね?って。



千「ぅうっ…んっ…っ…」


「気持ちいい?」



俺のモノを全て呑み込み、相変わらず顔を隠したままの彼が頷く。



「動くよ?」



白いノドボトケがピクリと動く。



千「ぁ……あっん…あ…」



ゆるゆるとナカを掻き回すように動くと、か細く甘く鳴いた。



もっと鳴かせてやろうと片足を担ぎ上げ、さらに激しく突き上げる。



千「やっ…ぁあっ…そこは…だめ…っ」


「つ…っ!!」



目の前の細い体が大きく撓り、背中に回された指先が皮膚を抉る。



千「あ……あっ……やっ…ぁ…」


「う……あっ…」



いつも以上の締め付けに頭がくらくらする。



千「ぁ……ぁっ……圭太ぁ…っ…」


「く……」



ラストスパートとばかりに、さらに激しく腰を打ち付けながらイクと聞こえた言葉。



俺と彼、どちらが言ったのかは分からないけど、朧気な意識の中で、俺の耳は確かに捉えていた。



そして、今。



寝息しか聞こえてこない静寂の中で俺は、



チリン、という、小さな鈴の音を聞いた。



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