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ドロップ・オブ・ロゼ 〜薔薇の涙〜

第27章 恋する時間



圭太side


待ち合わせ当日。



俺は緊張しながら人波を眺めていた。



『ちゃんとした服装でね?』



そう。俺はあの人の言葉通りの出で立ちであの人を待っていた。



……とは言っても、成人式に着たスーツだけど。



でも、一応はちゃんとした服装のはず。



俺は大きく息を吐きタイの位置を正したあと再び人の群に視線を定めた。



しばらくぼんやり眺めていると、正面から一際人目を引くすらりとした、髪の長い女性がこちらに向かって歩いてきた。



モデルかな?



しかも、一直線に俺の方へ向かって歩いてきているような気がする。



が、彼女は俺と目が合うと、にこりと微笑み、小走りで手を振りながら近づいてきた。



誰…だ?



彼女との距離が近づくごとに、俺は驚きのあまり声を失ってしまった。



千「遅くなってごめん。」


「え?あっ…い、いや……じゃなくてその格好…」


千「やっぱり変かな?」



顔を曇らせる細い肩を抱き寄せ囁いた。



「そんなことない。見違えた。」


千「ホント?」


「うん。モデルかと思った。」


千「まあ…普通の女の人よりは身長あるからね?」


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