
兄と妹
第3章 悩みと不安
いつも通りの朝が来た。
…と言いたいが、どうもそうはいかない。
なぜなら私はお兄ちゃんに必要以上に触れないと決めたので、いつもの抱きつきはしないことにしたからだ。
「お兄ちゃんおはよ。」
私はお兄ちゃんに抱きつかず普通に挨拶だけした。
「お~おはよ。あれ?今日はいつもの抱きつきしてくれないの?。」
お兄ちゃんはニヤニヤしながら言った。
「あら~千紗もとうとう恥ずかしくなったのかしら?。」
「日課だったから気にしてなかったがそんな年になったのか…なんか寂しいな~。」
お母さんとお父さんは笑っていた。
だがお兄ちゃんは一瞬不満そうな顔をしたように見えた。
ちょっとむくれた顔も可愛い…そんな顔されちゃったら抱きつきたくなる…。
でも私はもう決めたのだ。
