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失くした恋の癒し方

第2章 失恋の忘れ方

別れてひと月と少し。
カレからは何の音沙汰も無いことも私を悩ませる。


「ヒック…、マスターには…連絡は在るの?ヒック…
… 寺嶋さんから…」


ハンカチで涙を拭きながらマスターに聞いてみた。


「いや。
まだ、連絡はないよ。

転勤が決まってから、一度電話が入ったきりだよ。
前に話したよね!?」


「う―…ん、ヒック」


泣きすぎて上手く言葉が出て来ない。


「内示があってから転勤まではマジで忙しいからな。
ましてや、家族で行く事に決めたんだから、そりゃ忙し過ぎるさ。

きっと、麗華ちゃんが嫌いになった訳じゃなと思うよ―
寧ろ、奴もきっと辛さを我慢してると思う。」


マスターの慰め(?)の言葉を聞き、また涙が溢れ出た。


でも……




直接会ってお別れを言いたかった…


――私の方からサヨナラを言わせて欲しかった――






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