失くした恋の癒し方
第2章 失恋の忘れ方
「今日はヤケに素直だな」
マスターはガシッガシッ…と
氷を砕きながら、チラッと私を見た。
「じゃあ特別に、先輩から取って置きのアドバイスをしてあげよう」
「はい。お願いします」
私は笑いながら、でも真剣に耳を傾けた。
氷を砕く手を休めて、私に近付き小声で話し始める。
「男女の違いや想いの深さにもよるけど先ずは――
"相手の事を考えても涙が出て来なくなるまで泣く事"
泣く事は大切な癒しの第一歩だから!
ここに来て、いくらでも泣けばいいさ。」
優しく笑いかけて、また氷を砕き始めた。
考えずとも寺島さんの顔は、ハッキリと思い出せるし幸せだった思い出もいくつも浮かんでくる。
だけど…
もう寺島さんに会うことの出来ない事実は、まだ受け止め切れないでいる――
その瞬間また、涙が滲んで…
溢れた涙が頬を伝った。
泣くから忘れられないのだと思っていた。
でも、泣いたら…
いつか辛い気持ちが軽くなることを知った途端、タガが外れた様に涙が溢れていた。
マスターはガシッガシッ…と
氷を砕きながら、チラッと私を見た。
「じゃあ特別に、先輩から取って置きのアドバイスをしてあげよう」
「はい。お願いします」
私は笑いながら、でも真剣に耳を傾けた。
氷を砕く手を休めて、私に近付き小声で話し始める。
「男女の違いや想いの深さにもよるけど先ずは――
"相手の事を考えても涙が出て来なくなるまで泣く事"
泣く事は大切な癒しの第一歩だから!
ここに来て、いくらでも泣けばいいさ。」
優しく笑いかけて、また氷を砕き始めた。
考えずとも寺島さんの顔は、ハッキリと思い出せるし幸せだった思い出もいくつも浮かんでくる。
だけど…
もう寺島さんに会うことの出来ない事実は、まだ受け止め切れないでいる――
その瞬間また、涙が滲んで…
溢れた涙が頬を伝った。
泣くから忘れられないのだと思っていた。
でも、泣いたら…
いつか辛い気持ちが軽くなることを知った途端、タガが外れた様に涙が溢れていた。