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失くした恋の癒し方

第5章 恋の行方

狭い路地を迷う事無くアパートに着くと、帰り際にそっと渡された鍵でドアを開けた。


整然と片付けられた部屋は谷原さんの臭いがした。


台所に荷物を置いてカーテンを閉めると、開け放たれた隣の小さなベッドルームが目に入った。


二人きりでアパートに居ても、谷原さんはまだ私を抱こうとはしなかった。


あれ程の甘く官能的な口付けはしてくれるのに、ベッドルームに誘ってはくれない。


好きになり始めているからこそ、その事が気にかかった


"大好きだよ"
そう言ってくれる彼の瞳は、あんなにも純粋なのに…

私の身体を欲してはくれないの?



逞しい腕で抱き寄せられる感触を思い出しながら、自分を抱き締めた…




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