失くした恋の癒し方
第5章 恋の行方
コトコト コトコト…
鍋からいい臭いが漂い始めた頃
ピンポン――
玄関のチャイムがなった。
ドアをそっと開けると、息を切らした谷原さんがそこにいた。
「ただいま」
「お帰りなさい!
お疲れ様でした。
食事、もうすぐ出来るから待っててね」
キッチンに戻ってまた支度を始める私をみて
「家で誰かが迎えてくれるって、いいな〜!」
背広を脱ぎながら谷原さんが言った。
「ふふっ。
私も、誰かの為に料理を作るっていいな〜って思ってたの。
夫婦って、小さな幸せが沢山あるのね。
結婚した人が、早くお家に帰りたくなる気持ち、わかるわね」
幸せな家庭を思い浮かべた。
「そうだね。
奥さんがいて、子供が居て…
理想だな」
楽しそうに答える谷原さん。
理想の家庭…か…
一瞬寺嶋さんの顔が脳裏を掠めた。
きっと、寺嶋さんも、こんな風に幸せな時間を過ごしているんだろうな…
そんな事を考えたら切なくなって、ふと顔を上げた。
その途端、谷原さんと視線が絡まって見透かされたように感じて咄嗟に視線を逸らした。
私の胸はドキドキと鼓動を速めた…
「…麗華……」
谷原さんが近付いた。
鍋からいい臭いが漂い始めた頃
ピンポン――
玄関のチャイムがなった。
ドアをそっと開けると、息を切らした谷原さんがそこにいた。
「ただいま」
「お帰りなさい!
お疲れ様でした。
食事、もうすぐ出来るから待っててね」
キッチンに戻ってまた支度を始める私をみて
「家で誰かが迎えてくれるって、いいな〜!」
背広を脱ぎながら谷原さんが言った。
「ふふっ。
私も、誰かの為に料理を作るっていいな〜って思ってたの。
夫婦って、小さな幸せが沢山あるのね。
結婚した人が、早くお家に帰りたくなる気持ち、わかるわね」
幸せな家庭を思い浮かべた。
「そうだね。
奥さんがいて、子供が居て…
理想だな」
楽しそうに答える谷原さん。
理想の家庭…か…
一瞬寺嶋さんの顔が脳裏を掠めた。
きっと、寺嶋さんも、こんな風に幸せな時間を過ごしているんだろうな…
そんな事を考えたら切なくなって、ふと顔を上げた。
その途端、谷原さんと視線が絡まって見透かされたように感じて咄嗟に視線を逸らした。
私の胸はドキドキと鼓動を速めた…
「…麗華……」
谷原さんが近付いた。