淡雪
第9章 決心
僕は監督のもとへ走った。
スタッフがざわついている。
『いまの、なんだ?』
僕は監督に
『ありがとうございました』
と頭を下げた。
『やればできるじゃないか』
監督は満足げに笑った。
『撤収!!
誰かさんのせいで時間かかったから急いで片付けろよ』
その監督の声はちょっと嬉しそうだった。
一宮くんの元へ走る
『すみませんでした』
『たった数秒で俺のこと喰ってんじゃねーよ』
一宮くんは笑いながら俺の腹に軽いパンチを入れた。
なんだか嬉しかった。
たった数秒。
もしかしたらカットされてしまうかもしれない。
でも僕の初ドラマはなんとか撮影はしてもらえた。
僕は璃子さんを探す。
メイク道具を車に積み込んでいる璃子さん。
近づこうとしたら
『あ、坂井くん ジャージ返して』
というスタッフさんの言葉に
『あ、すみません。すぐ脱ぎます』
慌てて着替えてジャージを返した。
受け取ったスタッフさんは
『このジャージ坂井賢夢が着たって皆に自慢しよ』
なんて言ってる。
その時にはもう璃子さんの姿はなかった。
スタッフがざわついている。
『いまの、なんだ?』
僕は監督に
『ありがとうございました』
と頭を下げた。
『やればできるじゃないか』
監督は満足げに笑った。
『撤収!!
誰かさんのせいで時間かかったから急いで片付けろよ』
その監督の声はちょっと嬉しそうだった。
一宮くんの元へ走る
『すみませんでした』
『たった数秒で俺のこと喰ってんじゃねーよ』
一宮くんは笑いながら俺の腹に軽いパンチを入れた。
なんだか嬉しかった。
たった数秒。
もしかしたらカットされてしまうかもしれない。
でも僕の初ドラマはなんとか撮影はしてもらえた。
僕は璃子さんを探す。
メイク道具を車に積み込んでいる璃子さん。
近づこうとしたら
『あ、坂井くん ジャージ返して』
というスタッフさんの言葉に
『あ、すみません。すぐ脱ぎます』
慌てて着替えてジャージを返した。
受け取ったスタッフさんは
『このジャージ坂井賢夢が着たって皆に自慢しよ』
なんて言ってる。
その時にはもう璃子さんの姿はなかった。