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淡雪

第22章 淡雪




僕は満開の桜を見上げた。



あの時も貴女は桜の木の下にいたね。



満開の桜の下で儚げに目を閉じる貴女を見て



いなくなってしまうんじゃないかって思って
思わずキスをした。




璃子さん


貴女はやっぱり桜の妖精だったんだね





散る花びらにそっと手のひらを伸ばす



僕の手のひらにこぼれ落ちた花びらがはらはらと舞い落ちる




璃子さん...



僕は満開の桜の木の下で花びらとともにこぼれ落ちる涙を止めることができなかった。














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