齧りかけの林檎
第15章 ● 君の気持ち ♂side
「心配かけちゃってごめんね。
もしかしてベッドまで運んでくれたのって
歩くん?」
は?
おれの他に男呼んだとかないよね?
おれの後に誰か来る予定とか、
あるわけないよね?
おれだけ、だよね?
「おれ以外に誰がいるのー?
かっこいいでしょ?」
変な考えを振り払うように
精一杯の笑顔で答えた。
すると彼女は、
ばっと下を向いてしまった。
小さな声で
「あ、ありがとう・・・」
と言ってくる。
「どういたしまして」
おれでよかったら、
それくらい毎日でもしてやるよ。