齧りかけの林檎
第15章 ● 君の気持ち ♂side
さすがに離婚暦はないって思ってるけど・・・。
さすがにこれは聞けない。
でも結婚願望あるかだけは、
おれも聞いたっていいよね?
「ゆりさんは?」
おれがそう言うと
少し暗い顔をした彼女。
聞いてはいけないこと、
だったのかもしれない。
「わたしは結婚はいいかな。
そもそも相手もいないしね」
彼女は俯きながら、そう言うと
食べ終わった食器を片付け始めた。
でもごめん、
これだけ聞かせて?
「ゆりさんなら相手くらい
すぐできるんじゃないの?
会社にいい人とかいないの?」
会社にゆりさんの好きな人が居たら、
おれもっと頑張らないと
あなたを、おれのものにできないから。