齧りかけの林檎
第15章 ● 君の気持ち ♂side
ゆりさんが、
おれに逢いたいって思ってくれているなら
それだけでも今日の収穫だ。
心配して来てよかった。
おれの気持ち、伝わった?
おれは幸せに浸っていると、
「でも・・・。
わたし、10歳も上、なんだよ?」
なんて言われた。
今更だ、そんなこと。
「そんなこと知ってる。
知っても気持ちは変わらなかったし、
むしろ、知ってからも
もっとすきになってる。
年齢なんて、関係ないんだって
おれのほうがビックリしたくらいだよ」
ビックリはしたけど、
全く気持ちは変わらなかった。
見ているだけしかできなかった頃から比べると、
どんどん、どんどん、独占欲が出てきて
自分でも引くくらい。