齧りかけの林檎
第17章 ● 君とイチャイチャ ♂side
「なんだ、元彼の服かと思って
そんなのおれに着せるのって
思っちゃった、ごめん」
って言いながら、
彼女を抱きしめて
ごめんっていう意味も込めながら、
頭を撫でた。
「あの、歩くん・・・?」
「ん?」
「昔つきあってた人の物は
一切、家にはないから
安心して、ください・・・」
彼女がおれを安心させようとして
そんなことを教えてくれて、
おれってなんて子供なんだって思った。
「疑ってごめん」
彼女が元彼のもの残してたり、
そんな部屋に呼んだりするわけないよな・・・。