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「あ〜今日こそ緋葉に勝てると思ったんだけどなぁ。悔しいけど、完敗だ」

「だてに鍛えてないから。オレはまだまだ、雨芭に負けるつもりはないよ。雨芭って、負けず嫌いだよなほんと」



黒髪が緋葉、焦げ茶の髪が雨芭。



楽しそうに会話する緋葉と雨芭を見ているだけで、ただそれだけの事なのに何故かこっちまでも嬉しくなる。



『これが人間の友達か……いいな、僕も友達になりたいな。緋葉と雨芭と』



肩を並べて、楽しそうに笑い合って、同じ景色を見ている。



彼岸花は人間の会話を聞いたり、木や草、空ともたくさん会話したくさんの事を覚えた。人間は友達をすごく大切にすると、空が言っていたのを思い出す。



『――緋葉と雨芭に、また会いたいな』



初めて願ったのは、緋葉と雨芭にまた会いたいと言うものだった。