神隠しの杜
第2章 緋葉と夕羅
「もう起きられるはずだ。この空間に馴染めるようにしたから、ほとんど元の常態に近いはずだ」
緋葉が言った通りだった。
嘘のように頭がすっきりし、体も軽い。
歩がゆっくり体を起こし辺りを見回す。何も変わらないはずなのに、小さな違和感を感じる。
「……ああ、これのせいか」
夕闇に佇むお社。
お社の屋根の上には、夕闇を背に緋葉と夕羅がいた。
緋葉は黒髪の短髪で臙脂の着物を纏い下駄を履いている。きりりとした顔立ちで、女受けしそうな顔だった。
夕羅は黒髪のおかっぱで、全体的に日本人形を思わせた。華やかな着物は、黒で手鞠と牡丹の花があしらわれている。
「……ありがとうございます」
歩が礼を述べると緋葉は驚いた顔をしたが、一瞬の事だった。
緋葉が言った通りだった。
嘘のように頭がすっきりし、体も軽い。
歩がゆっくり体を起こし辺りを見回す。何も変わらないはずなのに、小さな違和感を感じる。
「……ああ、これのせいか」
夕闇に佇むお社。
お社の屋根の上には、夕闇を背に緋葉と夕羅がいた。
緋葉は黒髪の短髪で臙脂の着物を纏い下駄を履いている。きりりとした顔立ちで、女受けしそうな顔だった。
夕羅は黒髪のおかっぱで、全体的に日本人形を思わせた。華やかな着物は、黒で手鞠と牡丹の花があしらわれている。
「……ありがとうございます」
歩が礼を述べると緋葉は驚いた顔をしたが、一瞬の事だった。