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神隠しの杜

第2章 緋葉と夕羅

心にずっとある消えない問いを歩はしてみた聞いたら後悔するかもしれない、それでも本能が聞けと告げている。



「ここは、どこですか?」



夕羅は足をぶらぶらさせながら、ずっと面白そうに緋葉の顔を覗き込んでいた。答える気はさらさらないらしい。



すぐに答えは返ってこなかった。



緋葉の表情は、ほとんど無表情で何を考えてるのか歩にはさっぱりだった。



一番わからないのは緋葉の隣にいる少女。無意識に避けてしまう理由を、歩は理解していない。本能ではわかっていても。



歩は最初から期待をしていない。一度期待をしてしまうと、裏切られた時精神面が辛くなる。そうなれば、二度と立ち上がれなくなるような気がした。



この状況で、淡い期待を抱く方が無理というものだった。



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