神隠しの杜
第3章 神隠しに遭った少年
「「神隠し」」
同時に神隠しと言い、しばらく二人の間を沈黙が支配する。
解決法など、当然ないに等しく隼政も雪芭も考えあぐねていた。
話を切り出したのは雪芭だった。
「菜々子さん、今日帰らなかったら警察に捜索願い出すっていってた。
………どうする、隼政」
「俺たちで調べるに決まってんだろ。普通に考えたら事件だが、可能性は低い」
「だな。それに、気になる事がある」
雪芭は手元にある携帯を手早く操作し、ネットサーフィンでとあるサイトをクリックする。
真っ白な携帯の画面に映し出されたサイトは、真っ黒な背景に血の赤、彼岸花の赤を連想させる赤でタイトルが綴ってあった。
神隠し伝承記――――