神隠しの杜
第1章 迷い子
世にも怪しい噂というタイトルのやたら厚い本を読んでいた隼政が、顔を上げずにこう言った。
「あゆっち、面白い噂あるよ」
あゆっちは木暮歩の愛称で隼政だけがこれで呼んでいて、雪芭は普通に名前で呼んでいる。
歩はオカルトの話にさほど興味はなく、いつも雪芭だけが目を輝かせて聞いていた。
「俺はべつにいいんだけど……」
木暮歩と言う人間はこのメンバーの中で、一番まともで個性がない。
「聞きたい。歩はいいから、聞かせてよ」
「さすがゆっきー。いいぜ話してやる」
意気揚々と雪芭に話始めた隼政に軽くため息をつき、歩は手元にある家庭菜園の本を続きからまた読み始めた。
「あゆっち、面白い噂あるよ」
あゆっちは木暮歩の愛称で隼政だけがこれで呼んでいて、雪芭は普通に名前で呼んでいる。
歩はオカルトの話にさほど興味はなく、いつも雪芭だけが目を輝かせて聞いていた。
「俺はべつにいいんだけど……」
木暮歩と言う人間はこのメンバーの中で、一番まともで個性がない。
「聞きたい。歩はいいから、聞かせてよ」
「さすがゆっきー。いいぜ話してやる」
意気揚々と雪芭に話始めた隼政に軽くため息をつき、歩は手元にある家庭菜園の本を続きからまた読み始めた。