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神隠しの杜

第8章 奇妙な現実

いつの間にか背後には水露が立っていた。



「ここで人がいなくなるのは神隠しでしか、ありえない。けど、それを理解しているのは一部だけだからね」

「なるほど」

「ええ。だから、雨芭、私たちで動くわよ」

「……どうするつもりだ、神隠し相手に」



雨芭が水露を見る。何か考えや手だてがあるなら、わかるが、水露という人物が本能だけで動く事を雨芭は知っていた。



水露は真っ黒な短いワンピースで、腰に左手を当てている。



人が神隠しにどう対抗するなど、聞いた事がない。



雨芭は眉根をひそめる。



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