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神隠しの杜

第1章 迷い子

なんとなく何を言われるかわかってる歩はあえて黙った。



こういう場合嵐が過ぎ去るのを待つしかない。隼政はオカルトが好きすぎて自らオカルトクラブを立ち上げ、しかもその部長。人数は……言うまでもない。



この時期最高学年は参加できない決まりだが隼政に言い負かされ、泣く泣く先生の方が折れたらしい。



地雷を踏むと度々暴走するのを歩はすっかり忘れていた。



こうなったら、手がつけられないという事を。



「そりゃあ、あゆっちは成績がいいし優等生だからだよ!女子諸君からモテるし、コンビニのお姉様も歩くん歩くんだし。性格問題ありありなのにさあ」

「女たらしだから歩。おまけに無自覚だから余計たちが悪い」



最後何故か雪芭がうんうんと頷く。しかし、最後どうしても納得できない歩がまた口を挟む。



「女たらしは雪芭だろ、はべらかして歩いてるの見たぞ」

「歩と違って口だけはうまいからね」

「いつもゆっきーの予想外の言動に持ってかれちゃうんだよなぁ」



いつも通りの展開で物事は締めくくられ、図書館の閉館時間の5時ぴったりに退出する。



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