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ドラクエらんど

第20章 武器屋の娘

「いらっしゃいませ」

「ああ、今日はヒイラギが店番かい?」

「…レンゲは居ませんよ。お父様とイステリア城に行ってますから」



私は素っ気なく言った。
レンゲとは、私の妹のことだ。
妹は私と違って愛想があり可愛いらしい。
だから男たちからは評判良くて、この町では癒しの存在なのだ。
日々レンゲ目当てに店に来る男は多かった。



「そんなツンケンしなさんなって。ヒイラギだってせっかく美人なんだからさ、もっと笑って…」

「用が済んだのならお帰りください。他のお客様のご迷惑になるので」



ちょうど別の客が入ってきたのを確認した私は、そう冷たく言い放った。
男は苦笑いしながら店を出ていく。



…ふん、レンゲに会いたいなら、一つくらい何か買っていきなさいよ。



私は武器の手入れをしながら、こちらに背を向けて剣を物色している客をチラッと見た。



男? 女?



その客は黒装束を纏っていた。
ミサでもやるのかしら…ちょっと不気味。



普段武器を買いにくるのは、イステリア城の兵士くらい。あとはみんなレンゲに会いに冷やかしに来るだけ。
だからまともに武器を物色するお客は久しぶりで…。



「あの、何かお探しでしょうか?」



私はなるべく明るく声をかけてみた。



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